Porter Robinson『Secret Sky 2021』★10

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Porter Robinsonの『Secret Sky』でのライブを観た。Porter Robinsonの新譜『Nurture』はとても良くて、今もよく聴いている。EDM、というと厳密には違うのかもしれないが、いわゆるアメリカのエレクトロニック・ミュージック、シンセポップの音でありながら、同時に日本の音楽の影響を受けた音楽に思えた。

個人的にはEDMの音やフォーマットを展開しながら、同時に00年代のハウス、ラウンジ、エレクトロニカ周辺の影響を受けているように感じた。具体的に言うならFreeTEMPOラスマス・フェイバーが手掛けた中島愛、haruka nakamuraあたりで、実際に彼が聴いていたかはわからない。しかしPorter Robinsontwitter等で高木正勝やアニメからの影響については言及しているので、当たらずとも遠からずではあると思う。メロディの展開や空間の埋め方がどことなく日本的、というか偏執的な部分が出ていて、それをEDMのフォーマットにうまく落とし込んでいるように思えた。

その彼が主催するオンラインフェスティバルが開催されたので日本時間の10時くらいから観ていた。Baauerは次々とブラウザのタブでYouTubeの映像を開いていくVJがウケた。高木正勝は10分しかなかったが、不協和音のトラックをベースに、膝にお子さんを載せてピアノを弾くパフォーマンスがものすごくよかった。まさにオンラインで自由だった。録画だったのかもしれないがあまり気にしない。それを僕らはみんなで楽しんだ。セカオワはLOVEとNakajinのDJパフォーマンスで、BTS的なダンスポップとEDMの中間くらいのサウンドが楽しかった。REZZはDJっぽかった。

そして大トリのPorter Robinson。奥の壁と床にLEDが敷き詰められたパフォーマンスなのだが、曲がべらぼうによく、それに載せられる映像がストレートによく、その上Porterがピアノを弾く、歌う、踊る、サンプラーを弄るなどやりたい放題でひたすら楽しかった。完全に未来のDJだった。曲そのものが良いのに、アドリブで載せられるピアノ、そしてライブ用にアレンジされたドラムが異様に良くて、DJのパフォーマンスとしての完成形みたいだった。とにかく感覚的で、ビジュアルがそれを具体化しているのが凄まじく、今までに観たすべてのライブパフォーマンスを凌駕し、更新する最高のライブだった。ありがとうポーター。救われた。