『着飾る恋には理由があって』★6

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『着飾る恋には理由があって』を完走した。普段なら絶対に見ないタイプの恋愛ドラマだけど薦められたので。本筋とは違うところで感情移入してしまった。

仕事としてインスタでインフルエンサーをやっているバイヤー志望の女の子とフードトラックをやっている男の子の話。性格は真逆。そこに片想いしていた社長や同じシェアハウスに暮らす住民たちの人生が交差していく。主演は「麒麟が来る」で帰蝶役を務めた川口春奈川口春奈が気になっていたので見たのが正直なところ。

インフルエンサーとしての川口春奈も、若くして達観してるフードトラック経営者の横浜流星も、彼らが住むやたらデカいシェアハウスの住人対してもあまり思うことがない。シェアハウスのデカさはフィクションということを鑑みても全員生き方が尖りすぎている。そんな彼らに自分を重ね合わせて見るのはきつかった。

 

以下、完全なネタバレを含みます。

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しかしその流れは向井理こと社長の登場で一変する。すべてを得たものの称号である社長は1話目にして会社を追われ、川口春奈たちの前から姿を消し、さまざまなものを失った。放浪の先に再起の道を見つけ、川口春奈と再会し、彼女の片想いだけではなく自分の中の川口春奈への想いに気づいた頃、川口春奈の横には横浜流星がいた。すべてを失った向井理は、本当の意味ですべてを失った。そして最終回にてトルコにフェードアウト。5年後の世界では登場しない。

そう、これは向井理の転落物語だったのである。奇しくも向井理は「麒麟が来る」においても人望を失い、槍で突き刺されて死んだ。そして今作でも1話目にして立場を失い、両想いだった恋も成就せず露と消えた。それが熱いのだ。社長、否、向井理には幸せになってもらいたい。そんな熱い思いを抱かせてくれるのが恋愛ドラマの醍醐味なのかは知らないが、向井理だけはやたらかっこよくてとてもよかった。

というのが偽りのない感想なのだが、共感できるかはさておき、恋愛ドラマにおける「引き」とかシェアハウスの階段を使った「すれ違い」、そして『MIU404』チームの映像はとても良かった。みんなよく走ってて恋愛ドラマっぽかった。予想の裏切り方も良かった。勉強になった。