『大豆田とわ子と三人の元夫』★7

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『大豆田とわ子と三人の元夫』全10話を完走。

まず前提として自分は坂元裕二の作品があまり得意ではないです。過去に完走したものは『問題のあるレストラン』だけで、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』は途中離脱。『最高の離婚』は『Special 2014』だけ見ていてまあまあ良かった。距離感はそういう感じです。Twitterのタイムラインの友人たちが興奮している様子に影響を受けて見て、大体は好きになれなかったり、時々納得したり。

今作『大豆田とわ子〜』も手放しに称賛できるものではなかった、というのが正直なところ。松たか子が大好きなので毎週目にすることができて本当によかった。主題歌のラッパーが変わる演出を毎週楽しめたのも良かった。脚本も大筋の部分では嫌いではなかった。だけど「現実を肯定するために悪役を登場させそれを現実だと思わせる」流れとか、「登場人物がいちいち観る人を腑に落ちさせるためにそれっぽい台詞を言わされる」手法はあまり好きではない。自分には少しわざとらしすぎる。野暮だし「わざわざ口にするなよー」って思う。

ただ、それらを短所と認識した上でも、主人公の大豆田とわ子と3人の元夫たち、そして娘、友人たちが良好な関係を築いて日常を送っている様子はやはりとてもよかった。なぜそのような異常な関係性が成立するのか本当に意味がわからなかったけど、言ってしまえば誰にでもそのような他人から見たら意味不明な関係性は一つくらいあるものなのかな?と思ったり。そこについて踏み込んだシーズン2を期待したいし、踏み込まないで妄想の中で生きていて欲しいという思いも。

個人的に一番好きだったのは八作と唄。八作の不器用だけど芯の強い生き方は素敵だと思う。唄の基本的には賢いけど、自分には無自覚なところはとても共感した。とわ子は、もう恋愛を諦めたほうが良いと思うけど諦めきれないのかなあと思ったり。あれ、松たか子が演じてるから嫌味がないけど、他の人だと微妙だと思う。お松は最高。

不快な描写も多々あったけど、毎週とても素敵な時間でした。ありがとうございました。