『DUNE/デューン 砂の惑星』★9

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10日ほど前に観た『DUNE/デューン 砂の惑星』について書いてなかったので。僕個人は滅茶苦茶楽しめたけど、タイムラインで賛否が分かれるのはよくわかる。

フランク・ハーバートSF小説デューン』の映画化作品。監督は『ブレードランナー2049』『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ。主演は『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ。自分が知る限り、ハリウッドで今一番のイケメン。その他『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン、『スター・ウォーズ』の続三部作のボーを演じたオスカー・アイザック、それからMCUのサノスことジョシュ・ブローリン、『アクアマン』ことジェイソン・モモア、そして『スパイダーマン』のMJことゼンデイヤ、と錚々たるメンツが出ていて、「これでヒットしなきゃもう駄目だろ?」ってくらいキャスティングには力が入っているけど、日本では初登場5位でした!マジで!?

とはいえ全米ではちゃんと1位を獲得したし、ロシア、ベルギー、デンマーク、ドイツ、ノルウェースウェーデンウクライナ、香港、シンガポールといった国ではコロナ禍以降の興行収入記録を更新している。「じゃあなんで日本は?」ってなるわけだけど、個人的には「2部作だということが事前にしっかり告知されていないこと」「全体的にかったるいこと」が原因だったのではないかと思う。

というか「2部作だったら見たか?」と言われると肯定派の自分でさえ観に行くか怪しい。「え、終わらんの?」ってなるし、映画が始まった時に「PART ONE」って表示されて結構びっくりした。後編の予告が流れないのもびっくり。家に帰って後編の制作が決定していないことを知った時はさらにびっくり。その上、微妙な場面で前編が終わる。これは日本人じゃなくても普通にきつい。そしてもう一つの「かったるい」点。まあこれはドゥニ・ヴィルヌーヴの作風なので慣れが必要だし、自分はドゥニ・ヴィルヌーヴの作品を好き嫌いはあれどいくつか観ていたので慣れていたが、そうでない人はきついと思う。

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ただそのようなマイナスポイントがあっても、僕はめちゃくちゃ楽しかったです。基本的に僕は良いお家柄が滅亡する話が(その後の復讐も含め)わりと好きなところがある。そういう状況だからこそ、各キャラクターに充実した見せ場があったし、中でもオスカー・アイザック演じるパパ君の捨て身っぷりは本当にすばらしかった。本当はきつい場面だけど、どう考えても笑える。笑ってはいけないけど、構図とか美術で笑わそうとしている。絶対に笑ってはいけないパパ君。ドゥニ・ヴィルヌーヴの良い意味での性格の悪さが出ていて超良かった。

そして何より最高だったのはレベッカ・ファーガソン演じる母君。母なのに子を千尋の谷に突き落とすし、母なのに逞しいから犠牲にならない。にも関わらず性格的にはわりとビビリ。この母親像は斬新すぎて衝撃だったし、レベッカ・ファーガソンはただでさえきれいのに、衣装が変わる度にわけわからないくらい美しくなるからもう大変!レベッカ・ファーガソンを見るためだけに観に行くの全然有りです。

未来かつ異世界の話なのでSF耐性のない人にはきついかもしれないけど、基本的には戦争して滅亡するだけのシンプルな話なので、大河ドラマとか時代劇のファンでも楽しめると思います。前評判は気にせず、気になった人はレベッカ・ファーガソン様を拝みに行きましょう。損はしないよ!

 

長所

短所

  • 全体的にテンポが冗長
  • 2部作なので終わらない