『Lupin/ルパン』Season1,2 ★8

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Netflixで『Lupin/ルパン』を2シーズン分全10話を完走した。めちゃくちゃおもしろかった。

モーリス・ルブランの『ルパン』を愛する黒人アサンが、父を貶めた富豪に復讐するために奔走する話。アサン、そして元恋人のクレアと息子のラウル、富豪のヒューバート、パリの警察、そしてヒューバートの娘でありアサンの旧友であるヒューバートの人生が絡んでいく。

着想が似ていると思うのはやはり『SHERLOCK』だ。あちらは「もしシャーロック・ホームズが現代にいたら?」というのが大まかな構造だが、こちらは「アルセーヌ・ルパンに影響を受けた現代の怪盗がいたら?」と影響を受けている点が明確に異なる。そこにルブランのルパンのエピソードに落とし込むのがおもしろい。

全体のお話自体はとてもシンプルな復讐劇だが、モチーフがルパンであることから辛気臭くなることはなく、かといってコメディが前面に押し出ているわけでもない。ハサンを演じるオマール・シーはとても魅力的ではあるが、作品が彼の魅力に頼り切っている感じでもない。ロケーション、細かな設定、撮影、演出、音楽、そして脇役及び悪役たちが緻密に結びつくことで作品全体が魅力的になっていた。パリの街がよく見えるのは撮影が優れているからだ。

ただ全体の中盤、シーズン2の1、2話には少し中だるみがあった。それが欠点といえば欠点。だけどその後から怒涛の展開を迎え、映画ではなく尺がふんだんにあるドラマシリーズだからこそできる最高の作品に仕上がっていた。

2シーズン全10話とわりとコンパクトなので興味がある人は是非。とりあえず最初の2話だけでも。ここだけで十分最高なので。